歯向かう店員

6月になったが1月末から大学には行ってない。だがバイトはめちゃくちゃしている。今日はそのバイトでのエピソードを書こうと思う。

 

私のバイト先は早番と遅番で成り立っている。ずっと遅番として入っていたが、大学4年で授業が少なく尚且つオンライン授業の為時間に余裕しかないので早番にも入っている。

この早番と遅番の交代のタイミングが16時である。私はいつもギリギリで生きていたい世代のため、55分頃にタイムカードを打刻する。そして着替えを済ませる。その際にも早番がレジ対応をしている。

 

「今、出したんですよ」 

 

お客さんの声がドア越しに聞こえる。

顔色はわからないが、声色から苛立った様子であることは察せた。

口調はピシャンとして、BOSSの天海祐希をイメージしてもらえると有難い。 

接客業をしていると、こういうことは何度か経験する。今回もそれだろう、と思いシフトを確認し週5でバイトであることに絶望していた。

 

「社員を呼んで」

 

まだ続いてたようだ。お客さんも興奮してきたのか、キツイ口調で何やら訴えている。

だがこういう日に限って社員がいない。いつもサービス残業は当たり前でよく働いている(上からの言い方で申し訳ございません)社員さんがいない。

 

しかし、何をここまで話が大きくなったのだろう。

私がドア越しから断片的に聞きとったのは、会計時にポイントカードの有無を確認する際の"今、出した"論争だった。

そう、論争である。接客の場で、店員と客の論争である。

三者である私からは論争に映ったのだ。

ポイントカードの確認から、一体全体どうやって論争を繰り広げるんだ。私もTカードの後だしや、Tカードが出されていることに気づかず会計を済ませた経験があるが論争の経験はない。

何故なら、謝るからだ。申し訳ございません、と。

最近はよく○○は置いてないですね、欠品中ですごめんなさいと言ってしまう。その度に申し訳ございませんだろ!!!!と我にかえる。

このように、まずお客さんに謝る。たとえ、こちら側に非はなくても。謝罪する。

だって、それがいちばん解決が早いから。

もちろんこちらが100%悪いときもある。その時は本当にマジでごめんなさい、本当に次回からは気を付けます、本当にごめんなさい、お願いだから本社にクレーム入れないで、申し訳ございません、の気持ちで謝っている。けど、クレーム入れるひとってその場では怒らず後からあのときの会計で~~~と言ってくる。

 

しかし、今回は謝罪が一切無かったのだ。客に反抗して言い返す。めんどくさいから特別対応で、って言ってレジやればいいのに。

この歯向かう店員を見て、常日頃から早番や社員が一緒にシフトインしたくない、という理由が凝縮されていた出来事だった。

早番いわく、ミスを他人のせいにしたり、ミスをしても反省せず言い訳ばっかり。

今回もレジが並んでいて-と言い訳をしていたな。

 

このお客さんは理不尽なことを言い叫び騒ぐ客ではない。とても正論で詰めてくる客だった。そのお客さんに言い返すヤバさは、今年が大事芸人で小宮に「俺のこといじってみろよ」と吹っ掛けヤバさをお茶の間に見せつけた宮下のよう。けど、お笑いに昇華できる訳もなく現にシフトインしたくないと新人にも言われる始末である。このお客さんは経営者をしているらしく、あういう人は絶対言っても分からないし直らないからクビにしてもいいと思います、と笑いながらマネージャーに言っていてちょっと首筋が凍った。

電話越しのマネージャーが何を返したかは分からないが、明日のバイトは事情聴取であろう。

 

ありがとうございました。